バイクでキャンプツーリングに出かけると、意外と困るのが電源の確保です。1泊程度であればモバイルバッテリーでも対応できますが、連泊になるとスマホやガジェットの充電が追いつかず、電源不足に悩まされがちです。
そこで重要になるのが、車体から安定して電源を取れるUSB電源の設置です。モバイルバッテリーを走行中に充電できれば、その日の電源を効率よく確保できるようになります。
本記事では、リアボックス内にUSB電源を取り付ける方法と具体的な手順、実際に作業して感じた注意点や失敗例を解説します。
なお、車両はスズキ・グラストラッカーを使用しており、電源の分岐方法については別記事で詳しく紹介しています。
リアボックスにUSB電源をつけるメリット

ハンドル周りにスマホホルダーを取り付け、ナビとして使いながら充電している方は多いと思います。筆者も普段はそのスタイルで運用しています。
ただし、モバイルバッテリーやアクションカメラ用バッテリーなど、充電が必要な機器が増えてくると、スマホ以外も走行中に充電したいと感じる場面が増えてきます。一方で、ハンドル周りに機器を取り付けると、振動による落下リスクも無視できません。
さらに雨天時は、機器が直接雨にさらされるだけでなく、ショートなどのトラブルにつながる可能性もあります。
そこで有効なのが、リアボックス内にUSB電源を設置する方法です。ボックス内にUSBケーブルを敷設しておけば、ハンドル周りをすっきり保ったまま、安全に充電できる環境を作ることができます。収納スペース内で完結するため、雨の影響を受けにくい点も大きなメリットです。
長距離ツーリングやキャンプツーリングでは、スマートフォンに加えて、タブレットやインカム、アクションカメラなど複数の機器を同時に運用する場面が増えます。こうした状況でも、モバイルバッテリーを走行中に充電できれば、常に電源に余裕を持たせることができます。
特に北海道ツーリングや九州ツーリングのような長距離移動では、電源環境の有無が快適さを大きく左右します。リアボックス内のUSB電源は、その不安を解消してくれる実用性の高いカスタムです。

リアボックスにUSB電源をつけるデメリット

リアボックス内にUSB電源を設置する方法は便利ですが、いくつか注意しておきたいデメリットもあります。
まず、配線作業の手間がかかる点です。車体からリアボックスまで配線を引き回す必要があり、取り回しを誤ると見た目が悪くなるだけでなく、断線や接触不良の原因にもなります。
また、リアボックスに穴あけ加工が必要になるのもハードルの一つです。USBケーブルを通すための穴を開ける必要があり、一度加工すると元に戻せないため、位置決めや作業には慎重さが求められます。
このようにいくつかのデメリットはありますが、ポイントを押さえて施工すればリスクは十分に抑えられます。次のパートでは、実際に取り付けたパーツを紹介していきます。
今回使用したUSB電源

今回取り付けたのは、Kaedearの2口タイプのUSB電源です。カバーを開けると通電するスイッチ一体型で、バッテリーから直接電源を取る方法にも対応しているモデルです。

ただしこのタイプは、カバーを閉め忘れると待機状態のまま通電し続けるため、バッテリー上がりのリスクがあります。そのため今回は安全性を優先し、リアのテールランプ配線から電源を取り出しました。これにより、キーON時のみ給電される仕様となり、バッテリーへの負担を抑えています。
ここで一つ目の失敗があります。Amazonで購入したのはUSB Type-AとType-Cの2口タイプで、「最大18W」との表記を確認して問題ないと判断しました。しかし実際には、18WはType-A単体の出力であり、Type-C側は最大36Wの出力でした。
つまり、2ポート同時使用時は最大54W(54W÷12V=4.5A)となる可能性があり、テールランプ配線から電源を取るには容量オーバーになるリスクがあります。
「2口あれば便利だろう」と安易に選んでしまいましたが、結果的に配線も増えて取り回しが煩雑になり、使い方によっては電装系への負担も大きくなります。こうした点を踏まえると、シンプルに1口タイプを選んだ方が扱いやすかったと感じています。
USB電源の取り付け方法

電源の取り出し方については別記事で詳しく解説していますが、基本的な取り付け自体はシンプルです。分岐した電源にUSB電源のプラス側を接続し、マイナス側はバッテリーのマイナス端子へ戻すだけで使用できます。
グラストラッカーの場合、テールランプの配線はシート下にあるため、ここから電源を取り出せば、配線をインシュロックで固定するだけで目立たずきれいに取り回すことができます。外観を損なわずに設置できる点は大きなメリットです。
ただし、ここでも一つ失敗があります。電源分岐時に安全対策としてヒューズを追加したのですが、実際にはUSB電源の配線にもヒューズが付いており、結果的にヒューズが直列に2つ入る構成になってしまいました。
安全性を意識したつもりが、不要な構成になってしまった形です。製品の説明書にも「バッテリー直結でない場合は追加のヒューズは不要」と記載があったため、事前に仕様をしっかり確認しておくべきポイントでした。
また今回は、USB電源をリアボックスに固定するのではなく、ETC用に取り付けているポーチ内に収める構成にしています。リアボックスはキャンプツーリング時のみ使用し、普段は取り外しているためです。

この構成にしたことで、日常使いとキャンプツーリングのどちらにも対応できる柔軟な電源環境を作ることができました。
一方で、リアボックス側にはUSBケーブルを引き込むための穴あけ加工が必要になります。今回はホームセンターで配線用の保護ゴム(グロメット)を用意し、それに合わせて穴あけを行いました。

使用しているリアボックスはABS樹脂製のため、ドリルで穴を開けたあと、ヤスリで整えるだけで比較的スムーズに加工できました。グロメットを取り付ければケーブルの保護と見た目の両方を確保でき、仕上がりもきれいになります。
穴にグロメットを付けたら、ケーブルも問題なく入り、見た目も綺麗に仕上がりました。

グロメットはホームセンターで購入でき、価格も4個で190円と手頃でした。

実際に取り付けてどうなったか?

実際に取り付けてみて感じたのは、電源不足の不安が大きく減ったことです。キャンプツーリングでは、走行中にリアボックス内でモバイルバッテリーを常時充電できるため、電池残量を気にする場面が少なくなりました。
また、急な雨に降られてもボックス内で充電を継続できるため、天候に左右されにくい点も大きなメリットです。これまでのように防水対策に神経を使いすぎる必要がなくなり、運用面でもかなり楽になりました。
一方で、USB電源出力の誤った見積もりやヒューズの過剰設置など、いくつか失敗もありました。ただ、実際に取り付けや加工を行ったことで、電装の仕組みや配線への理解が深まり、結果的には大きな学びにつながったと感じています。
こうした経験は、今後のカスタムやトラブル対応にも活きてくるため、単なる取り付け以上の価値があったと言えます。
▶︎グラストラッカーのメンテナンスやカスタムはこちらの記事にまとめています⬇️
まとめ|リアボックス内USB電源は長距離ツーリングの快適性を大きく向上させる
リアボックス内にUSB電源を設置することで、走行中でも安定して電源を確保できるようになり、特にキャンプツーリングでの連泊や長距離移動での安心感は大きく向上します。
ハンドル周りをすっきり保ちながら複数の機器を安全に充電できる点や、雨天時でも影響を受けにくい点は、実際に使ってみて強く実感できるメリットです。
一方で、配線の取り回しや電源容量の把握、ヒューズの扱いなど、事前に理解しておくべきポイントもいくつかあります。ただ、今回紹介したような内容を押さえておけば、初心者でも十分に対応可能なカスタムです。
「ツーリング中の電源不足に悩んでいる」「モバイルバッテリー運用に限界を感じている」という方は、ぜひ一度導入を検討してみてください。電源環境が整うだけで、ツーリングの快適さは想像以上に変わります。
なお、本記事で使用している電源の分岐方法については、別記事で詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。
▶︎バイクツーリングやキャンプの総合情報はこちらから
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