グラストラッカーのチェーン交換を検討しているものの、
- 「チェーンの交換時期は?」
- 「費用はどれくらいかかる?」
- 「チェーンの交換手順を知りたい」
という方も多いのではないでしょうか。
一般的にチェーンの寿命は、シールチェーンで15,000〜30,000km、ノンシールチェーンで5,000km前後が目安とされています。しかし、私のグラストラッカーは適切な注油とメンテナンスを続けていたこともあり、60,000kmを超えても大きな伸びやスプロケットの摩耗は見られませんでした。
それでも走行距離を考えると交換時期だと判断し、今回はDIYでチェーン交換に挑戦。コストを抑えるため、これまで使用していたシールチェーンからノンシールチェーンへ交換しました。
この記事では、実際にグラストラッカーのチェーンを交換した手順や必要な工具、作業時の注意点を写真付きで詳しく紹介します。
なお、グラストラッカーに適合するチェーンのサイズやリンク数については、以下の記事で詳しく解説しています。
グラストラッカーのチェーン交換で準備したもの
今回のチェーン交換で使用したパーツと工具を紹介します。
なお、今回はシールチェーン(カシメジョイント)からノンシールチェーン(クリップジョイント)へ交換しました。チェーンの種類やジョイント方式によって必要な工具が異なるため、購入前に確認しておきましょう。
今回交換したパーツ

今回使用したのは、EKのノンシールチェーン「EK520SR」です。
選んだ理由は、シールチェーンと比べて価格が安く、クリップジョイントのためメンテナンスや交換がしやすいこと。シールチェーンのカシメジョイントは取り付け・取り外しに専用工具が必要ですが、クリップジョイントなら工具を最小限に抑えられます。
また、ノンシールチェーンはシールチェーンより耐久性が劣るといわれていますが、EKのSRシリーズは強化タイプのため、耐久性とコストのバランスに優れています。
| 名称 | 品番 | 数量 |
|---|---|---|
| EKノンシールチェーン | EK520SR 100L | 1個 |
使用した工具

グラストラッカーのチェーン交換で必要になる特殊工具は、チェーンカッターとチェーンカシメ工具です。
今回はクリップジョイントを使用したため、チェーンカシメ工具は使用していません。なお、後輪を浮かせるためにジャッキがあると便利ですが、リアメンテナンススタンドで代用することも可能です。
| 名称 | 用途 | 商品リンク |
|---|---|---|
| ロングラチェットハンドル | ボルトの取り外し | 【PR】Amazonで購入する |
| ソケットレンチ | ボルトの取り外し | 【PR】Amazonで購入する |
| トルクレンチ | ボルトの締め付け | 【PR】Amazonで購入する |
| リアメンテナンススタンド | 後輪のジャッキアップ | 【PR】Amazonで購入する |
| ラジオペンチ | クリップの取り付け | 【PR】Amazonで購入する |
| チェーンカッター | チェーンのピン抜き | 【PR】Amazonで購入する |
| 平やすり | カシメ部分の削り落とし | 【PR】Amazonで購入する |
使用したメンテナンスアイテム
チェーンには油分が付着しているため、パーツクリーナーやウエスを用意しておくと作業がスムーズに進みます。また、新品チェーンを取り付けた後は、初期潤滑剤の状態を確認し、必要に応じてチェーンオイルを塗布しておきましょう。
| 名称 | 用途 | 商品リンク |
|---|---|---|
| パーツクリーナー | パーツの洗浄 | 【PR】Amazonで購入する |
| チェーンオイル | チェーンの注油 | 【PR】Amazonで購入する |
| オイルパン | 古いチェーンの受け皿 | 【PR】Amazonで購入する |
| ウエス | 汚れの掃除 | 【PR】Amazonで購入する |
作業時間の目安
グラストラッカーのチェーン交換にかかる作業時間の目安は、作業に慣れている人で30〜60分程度です。初めて作業する場合でも、2時間ほど見積もっておけば十分に交換できるでしょう。
なお、交換するチェーンがカシメジョイントの場合は、チェーンカッターに加えてカシメ工具も必要になります。ジョイント部へのグリス塗布やプレートの圧入、カシメ作業など工程が増えるため、作業時間も長くなる傾向があります。
一方、クリップジョイントは取り付けや取り外しが比較的簡単なため、DIYでも作業しやすく、短時間で交換できます。
グラストラッカーのチェーン交換手順【写真付き】
リアアクスルナットを緩める
まずは後輪の位置を調整できるように、リアアクスルナットを緩めます。
19mmのメガネレンチでアクスルナットを押さえ、17mmのレンチでアクスルシャフトを緩めましょう。ハンドルの長い工具を使用すると、少ない力で作業できます。
チェーン交換のみであれば、アクスルシャフトを取り外す必要はありません。緩めるだけで後輪を前後に動かせるようになります。


ジャッキアップしてリアホイールを浮かせる
チェーン交換作業をスムーズに進めるため、後輪を浮かせて回転できる状態にします。
今回はサイドスタンドを立てたまま、リアフレームにメンテナンススタンドを掛けてジャッキアップしました。後輪が自由に回転するようになるため、チェーンの取り外しや取り付けが楽になります。


なお、ジャッキアップするとサイドスタンド側に負荷がかかります。地面やサイドスタンドの傷防止のため、スタンドの下に板を敷いておくと安心です。

ジョイントのカシメ部分をヤスリで削る
チェーンを取り外すため、まずはジョイント部分のカシメを削ります。
チェーン交換ではグラインダーを使ってカシメ部分を削る方法が一般的ですが、グラインダーがなくても金属用の平ヤスリで代用可能です。グラインダーは使い方を誤るとケガや部品の損傷につながるため、作業に慣れていない場合はヤスリでの作業がおすすめです。

チェーンを切断するだけであれば、1か所のピンを外せば十分です。チェーンカッターを使用する部分のピンを選び、平ヤスリでピンの頭が平らになるまで削ります。



手作業でもそれほど時間はかからず、私の場合は1本あたり5分程度で削ることができました。

チェーンカッターでピンを抜く
カシメ部分を削り終えたら、チェーンカッターを使用してピンを抜きます。
今回使用したのは、Amazonで購入した格安のチェーンカッターです。作業で最も重要なのは、チェーンのピンとチェーンカッターの押し出しピンの位置を正確に合わせること。位置がずれたまま作業すると、工具の破損やチェーンの損傷につながる可能性があります。
まずはチェーンカッターをチェーンにセットし、ガイドを締め込んでしっかり固定します。この段階では、まだ押し出し用のレバーは回さないようにしましょう。


固定ができたら、レバーをゆっくり回してピンを押し出します。多少力は必要ですが、無理に力を掛けず、まっすぐ押し出されていることを確認しながら作業を進めます。
ピンが抜ければチェーンの切断は完了です。

今回使用した格安のチェーンカッターも、正しい手順で使用すれば十分実用的でした。購入時は「1回使えれば十分」と思っていましたが、今後も問題なく使えそうです。

古いチェーンと新しいチェーンを仮連結する
チェーンを切断したら、すぐに古いチェーンを取り外さず、新しいチェーンとジョイントで仮連結します。
古いチェーンを引っ張ることで、新しいチェーンをスプロケットに沿って通すことができるため、チェーンの取り回しがスムーズになります。特に初心者の場合は、この方法を使うと作業しやすいでしょう。

古いチェーンを取り外す
新しいチェーンを車体に通したら、仮連結していたジョイントを取り外し、古いチェーンを抜き取ります。
古いチェーンには油や汚れが付着しているため、オイルパンや段ボールなどの受け皿を用意しておくと周囲を汚さずに作業できます。

新しいチェーンをジョイントで繋ぐ
続いて、新しいチェーンをジョイントで繋ぎます。
このとき、チェーンの両端が届かずジョイントを取り付けられない場合は、後輪を少し前方へ移動させてチェーンのたるみを作りましょう。
後輪が動かない場合は、アクスルナットの緩め方が不足している可能性があります。無理に後輪を押し込まず、アクスルナットが十分に緩んでいるか確認してみてください。

プレートを取り付けてクリップで固定する
ノンシールチェーンの場合は、シールチェーンのようなOリングがないため、ジョイントのプレートを取り付けてクリップで留めるだけで固定できます。

このとき注意したいのがクリップの向きです。クリップは、チェーンの進行方向が閉じている側(丸背側)になるように取り付けます。反対向きに取り付けると、走行中にクリップが外れる原因になるため注意しましょう。
なお、チェーンの種類によってはプレートの圧入が必要な場合があります。作業前にメーカーの取扱説明書を確認しておくと安心です。

クリップはラジオペンチを使うと簡単に取り付けできます。しっかり溝にはまり、確実に固定されていることを確認しましょう。



チェーンの張り調整をする
チェーンのジョイントをクリップで固定したら、チェーンの張りを調整します。
ロックナットを緩めチェーンアジャスターを回して後輪の位置を調整します。前後スプロケットの中間付近でチェーンを上下に動かし、遊び量が10〜20mmになるよう調整しましょう。
また、左右のアジャスター目盛りが同じ位置になるよう調整することも重要です。左右の位置がずれていると、ホイールアライメントが狂い、走行性能やタイヤの摩耗に影響する場合があります。

トルクレンチでアクスルナットを締め付ける
最後にアクスルナットを締め付けます。
アクスルナットは規定トルクの65N・mで締め付けましょう。締め付け後はチェーンの張りに変化がないか再度確認し、問題がなければチェーン交換作業は完了です。

ショップに依頼する場合との比較
今回のチェーン交換で使用したパーツと工具の費用は、チェーンが約5,800円、チェーンカッターが約580円でした。すでに工具を持っている場合は、比較的安く交換できます。
一方、バイク用品店でチェーン交換を依頼する場合の工賃相場は以下のとおりです。
| ショップ | 作業時間目安 | 工賃の目安 |
|---|---|---|
| NAPS | 20分〜 | 4,400円〜 |
| 2りんかん | 40分〜 | クリップジョイント:4,400円〜 カシメジョイント:6,600円〜 |
| ライコランド | 30分~ | 3,850円(全車共通) |
チェーン本体も店舗よりAmazonなどの通販サイトの方が安く購入できるケースが多く、DIYなら費用をさらに抑えられるメリットがあります。
また、一度工具を揃えてしまえば、今後のチェーン交換やメンテナンスにも活用できます。節約できた工賃分を工具代に回せると考えれば、DIYに挑戦する価値は十分あるでしょう。
今回使用したクリップジョイントは、カシメ作業が不要なため初心者でも比較的簡単に取り付けできます。グラストラッカーのような250ccクラスのバイクであれば、適切に取り付ければクリップジョイントでも問題なく使用できます。
ただし、チェーンは駆動系の重要部品です。取り付け不良は重大なトラブルや事故につながる可能性があるため、作業に不安がある場合は無理をせずショップへ依頼することをおすすめします。
実際にDIYしてみた感想
チェーン交換の方法を調べてみると、ハードルが高いと感じるのはチェーンの切断とカシメ部分の処理です。特にグラインダーを使ったカシメ部分の削り作業や、カシメジョイントの取り付けは、初心者にとって不安に感じるポイントでしょう。
そこで今回は、平ヤスリでカシメ部分を削り、クリップジョイントを採用することで作業難易度を大きく下げました。実際にやってみると、想像していたほど難しくはなく、手順を守って進めれば初心者でも十分対応できる作業だと感じました。
また、クリップジョイントは「走行中に外れないの?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、現在でも多くのバイクで使用されている実績のある方式です。グラストラッカーのような250ccクラスで比較的出力が穏やかなバイクであれば、相性の良い選択肢といえるでしょう。
今回はシールチェーンからノンシールチェーンへ交換したため、今後はこれまで以上に定期的な注油が必要になります。その一方で、交換後はノンシールチェーンならではのアクセル操作が少し軽くなったようなフィーリングがあり、個人的には満足しています。
耐久性やチェーンの伸びについては、今後しばらく走行しながら様子を見ていきたいと思います。
▶︎グラストラッカーのメンテナンス項目と交換目安を、走行距離別に整理しています。次に何を点検・交換すべきか確認したい場合は、こちらのまとめ記事が便利です。
まとめ

今回は、グラストラッカーのチェーン交換方法を写真付きで紹介しました。
チェーン交換というと難しそうなイメージがありますが、クリップジョイントを選び、平ヤスリでカシメ部分を削る方法であれば、初心者でも十分挑戦できる作業です。実際に今回の交換では、特殊工具も最低限で済み、DIYで無事交換することができました。
DIYで交換するメリットは、工賃を節約できるだけでなく、自分でメンテナンスできる知識や経験が身につくことです。一度作業を覚えてしまえば、今後のチェーン交換や日常メンテナンスにも役立ちます。
ただし、チェーンはバイクの駆動を支える重要な部品です。取り付け不良は重大なトラブルにつながる可能性もあるため、不安がある場合は無理をせずショップへ依頼しましょう。
なお、グラストラッカーに適合するチェーンサイズやリンク数、おすすめのチェーンについては、以下の記事で詳しく紹介しています。チェーン選びで迷っている方は、あわせて参考にしてみてください。
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