冬の房総半島を巡る一泊二日のソロツーリング。早朝出発の予定が、まさかの雨でスケジュールが狂う展開に。雨雲が抜けるのを待つうちに出発が遅れてしまいましたが、そのおかげで思いがけず房総の絶景をじっくり楽しむことができました。

そして翌朝は、日の出スポットとして名高い九十九里浜へ。目の前に広がる壮大な日の出を独り占めし、最高の朝を迎えることができました。そんなラッキー続きの房総半島ツーリングを、実際のルートや見どころとともにご紹介します。アクアラインを抜けた後は、基本的に下道でのんびり走るルートなので、ぜひ参考にしてみてください!


富津岬 明治百年記念展望塔(13:30)

まずは東京湾アクアラインを抜け、ツーリングの定番スポット・富津岬へ。ここにそびえる特徴的な展望台「明治百年記念展望塔」からは、東京湾を一望でき、晴れた日には富士山まで見渡せることも。五葉松をイメージした独特なデザインは、どの角度から見てもフォトジェニックです。
富津岬は東京湾に細長く突き出した地形のため、三方を海に囲まれた開放感が魅力。潮風を感じながら愛車とともに写真を撮るのもおすすめです。

また、この地は江戸時代から軍事的に重要視され、白河藩・松平定信によって砲台が築かれました。第二次世界大戦の終戦まで要塞地帯としての役割を果たしていた歴史があります。現在は「富津公園」として整備され、レジャー施設も充実した観光地として親しまれています。

駐車場も広く、マスツーリングでも駐輪に困らないライダーに優しいスポット。

この日は残念ながら富士山は見えませんでしたが、晴れた日の展望台からの360°パノラマは圧巻です。



住所:〒293-0021 千葉県富津市富津2280
燈籠坂大師(とうろうざかだいし)の切通しトンネル(14:30)

次に向かうのは、幻想的な雰囲気が漂う「燈籠坂大師の切通しトンネル」。苔むした岩壁に囲まれたその光景は、まるで異世界に迷い込んだかのよう。全長約100mのトンネルは、両側をそそり立つ岩壁が覆い、自然と人工が融合した独特の景観を作り出しています。
このトンネルは、弘法大師が諸国行脚の際に腰を休めたと伝えられる「燈籠坂大師堂」へと続く参道の一部で、かつては城山(造海城)の尾根を越える急な坂道でした。明治から大正時代にかけて手掘りで切通しが作られ、さらに昭和初期には鋸山の石切技法を用いた切下げ工事が行われ、現在の姿になったとされています。
行き方は国道127号を館山方面へ南下していき、城山トンネルの手前に大きな燈籠坂大師の赤い門へ進みます。



門をくぐって一つ目のトンネルを抜けて進んでいくとインスタ映えで有名な「切通しトンネル」があります。この日は撮影中に人が行き来してしまい、ゆっくり撮る時間がなかったものの、なんとか一枚収めることができました!

住所:〒299-1622 千葉県富津市竹岡~萩生(燈籠坂大師堂 富津市萩生8-2)
千葉県富津市ウェブサイト:https://maruchiba.jp/spot/detail_10337.html
房総フラワーライン

切通しトンネルで写真撮影の後は、そのまま国道127号線を館山方面へさらに南下していくと房総フラワーライン(国道410号線)へ合流します。
房総フラワーラインは、館山市の下町交差点から南房総市和田町まで続く約46kmの海岸線ルート。週末でも交通量が少なく、快適に走れるツーリングロードとして人気です。冬でも日中は比較的暖かく、特に1月~3月には菜の花が見頃を迎え、沿道を鮮やかな黄色に彩ります。

太平洋沿いを走るこの道では、普段なら海風を感じながら爽快なツーリングが楽しめるのですが、この日はヤシの木が大きく揺れるほどの強風。信号が少なく、適度なカーブが続く快走路ですが、風にあおられながらの走行になりました。

菜の花の見頃には少し早い1月初旬でしたが、それでも冬とは思えない温暖な景色が広がっていました。特に伊戸~相浜の約6km区間は「日本の道100選」にも選ばれた美しい道になります。

冬でも南房総らしい爽やかな景色を楽しめる、おすすめのツーリングルートです。
房総半島最南端の地 野島埼(16:30)

夕方に到着したのは、房総半島の最南端・野島埼。ここには「白鳥の灯台」として親しまれる野島埼灯台があり、周辺には整備された遊歩道が広がっています。



ちょうど日の入りの時間に間に合い、太平洋へと沈む夕日を眺めることができました。この日はあいにくの強風で、まっすぐ立っているのも大変なほどでしたが、遊歩道を進むと目の前には雄大な景色が。房総半島の最南端ならではの開放感と、刻々と変わる夕焼けのグラデーションに思わず見入ってしまいました。

一泊二日のツーリングプランなら、夕方の時間帯に訪れるのもおすすめです。




スシロー鴨川店(18:00)

野島埼を後にし、日中なら外房の美しい海岸線を楽しみながら走れるルートですが、日が落ちたあとはひたすら九十九里を目指して北上。暗闇の中を進むナイトランとなりました。
途中、鴨川で夕食はリーズナブルにスシローへ!千葉限定メニューもあり、地元ならではのネタを楽しめました。

ソロツーリング中は手軽に美味しく食事を済ませたいもの。スシローなら駐車場も広く、おひとり様でもカウンター席が用意されているので、サクッと入れるのが嬉しいポイントです。
スパ&リゾート九十九里 太陽の里(20:00)

ツーリングで冷え切った体を癒すなら、やっぱり温泉!九十九里にある 「太陽の里」 は、宿泊施設を備えた温泉リゾート。広々とした露天風呂や炭酸泉、岩盤浴まで揃っており、疲れた体をしっかりリフレッシュできます。
今回は宿泊せずに日帰り入浴を利用。施設の老朽化がやや気になったものの、冬のツーリング後に温まるには十分な設備でした。開放感のある露天風呂で、冷えた体がじんわりと温まる至福のひととき。走ったあとの温泉は、やっぱり最高ですね!
快活CLUB 茂原東部台店(22:30)

温泉でしっかり温まったあとは、あとは寝るだけ。宿泊には 快活CLUBの鍵付き完全個室ナイトパック(8時間・平日¥2,570) を活用しました。鍵付きの個室なのでプライベート空間でゆっくり休めるうえ、ドリンクバーも飲み放題。リーズナブルながら快適に過ごせるライダーに嬉しい宿泊スポットです。
さらに、シャワールームも完備されているので、もし温泉に立ち寄れなかった場合でも安心。コスパ抜群で気軽に泊まれるのが魅力です。


住所:〒297-0016 千葉県茂原市木崎2274−1
白子海岸(古所海岸)(翌6:00)

翌朝は早起きをして、九十九里浜の日の出スポット 白子海岸 (古所海岸)へ。宿泊した 快活CLUB からも近く、早朝ツーリングにはぴったりのロケーションです。冬の朝は空気が澄み渡り、朝日がひときわ輝いて見えます。広大な海岸線から昇る太陽はまさに絶景で、まるで映画のワンシーンのような感動を味わえます。
平日なら人も少なく、静かな海岸でゆっくり日の出を堪能できるのがポイント。バイクを乗り入れることができるので、朝焼けをバックに愛車の写真を撮る絶好のチャンス!

砂が深い場所もあるので、大型バイクはスタックに要注意です。

冬の早朝は冷え込みが厳しいため、防寒対策は万全に。透き通る朝の空気の中で迎える日の出は、まさに早朝ツーリングならではの贅沢なひとときです。


住所:〒299-4212 千葉県長生郡白子町古所
房総スカイライン(翌9:30)

前夜の走行では見ることができなかった 外房の海岸沿いの景色 を楽しむために、朝は一旦 鴨川まで戻るルート を選択。そして、ツーリングのラストを飾るのは 房総スカイライン。
房総スカイラインは、南房総の山岳地帯を抜けて内房と外房を結ぶ絶好のワインディングロード。適度なカーブと開けた景色が続き、走っていて気持ちのいい道が続きます。冬でも 日中は比較的暖かく、快適に走れるのも魅力。さらに、土日でも交通量が少なく ストレスフリーなライディングを楽しめるため、最後まで爽快に走り抜けることができました!



まとめ
今回は 房総半島を巡る冬のツーリング を楽しみました。暖かい南房総なら、冬でも快適に走ることができ、美しい海岸線や歴史的スポット、絶景のワインディングロード を存分に満喫できます。
冬の房総ツーリングは、オフシーズンならではの走りやすさ や 観光地の混雑が少ないメリット もあり、ソロライダーに特におすすめ。ぜひ皆さんも、防寒対策をしっかりして冬の房総を走ってみてください!