F1のレースでは、フリープラクティスや予選におけるドライバーごとのラップタイムが、パフォーマンスを判断する重要な指標になります。FastF1を使えば、こうしたラップタイムデータをPythonから簡単に取得できます。
この記事では、FastF1を使ってF1セッションのラップタイムデータを取得する方法を解説します。基本的にはコードをコピーして実行するだけでデータを取得できるため、Python初心者でも問題なく試すことができます。
それでは、セッションを読み込み、ラップタイムデータを取得する基本的な手順を見ていきましょう。

FastF1でセッションのラップタイムを取得する方法
ここからは、FastF1を使って実際にF1のラップタイムデータを取得する方法を解説します。本記事では、セッションのラップデータを読み込み、ドライバーごとのベストラップを一覧表示する手順を紹介します。
Pythonのコードはすべてコピペで実行できるようにしているため、プログラミング初心者の方でも安心して試すことができます。
また、FastF1を初めて使う方は、事前に「FastF1の使い方【初心者チュートリアル】」の記事を確認しておくのがおすすめです。
まずはセッションを読み込む
FastF1では、まず対象となるレースセッションを読み込む必要があります。以下のコードは、日本GPのセッションを読み込む基本的な例です。
import fastf1
import os
# キャッシュフォルダを作成
os.makedirs('cache', exist_ok=True)
# キャッシュを有効化
fastf1.Cache.enable_cache('cache')このコードでは、FastF1のキャッシュ機能を有効化しています。
続いて、セッションを指定してデータを読み込みます。
# セッション取得(年 / グランプリ / セッション)
session = fastf1.get_session(2025, 'Japan', 'FP2')
# データ読み込み
session.load()FastF1では、以下のようなセッションコードを指定できます。
- FP1(フリー走行1)
- FP2(フリー走行2)
- FP3(フリー走行3)
- Q(予選)
- R(決勝)
まずはこのコードを実行し、セッションデータが正しく取得できることを確認してみましょう。
セッションのベストラップ一覧を表示する
次に、セッションのラップデータから各ドライバーのベストラップを取得し、ランキング形式で表示してみましょう。
以下のコードを実行すると、F1公式リザルトのように、ドライバーごとのベストタイムを一覧で表示できます。
import pandas as pd
# ラップ取得
laps = session.laps
# 有効ラップのみ
laps = laps[laps["IsAccurate"] & laps["LapTime"].notna()]
# 最速ラップ抽出
idx = laps.groupby("Driver")["LapTime"].idxmin()
best_laps = laps.loc[idx].copy()
# Vmax取得
def get_vmax(lap):
try:
return lap.get_car_data()["Speed"].max()
except:
return None
best_laps["Vmax"] = [get_vmax(lap) for _, lap in best_laps.iterrows()]
# 必要な列
df = best_laps[
[
"Driver",
"Team",
"LapTime",
"Sector1Time",
"Sector2Time",
"Sector3Time",
"Vmax",
"Compound",
"LapNumber",
]
].copy()
# ソート
df = df.sort_values("LapTime").reset_index(drop=True)
df.insert(0, "Pos", df.index + 1)
# ギャップ
best_time = df["LapTime"].iloc[0]
df["Gap"] = df["LapTime"] - best_time
# ラップ数
df["Laps"] = df["Driver"].map(session.laps.groupby("Driver").size())
# フォーマット関数
def format_laptime(t):
if pd.isna(t):
return ""
total_sec = t.total_seconds()
m = int(total_sec // 60)
s = int(total_sec % 60)
ms = int((total_sec - int(total_sec)) * 1000)
return f"{m}:{s:02d}.{ms:03d}"
# 表示用
df["Time"] = df["LapTime"].map(format_laptime)
df["Gap"] = df["Gap"].map(lambda x: "" if x.total_seconds() == 0 else f"+{x.total_seconds():.3f}")
df["S1"] = df["Sector1Time"].map(format_laptime)
df["S2"] = df["Sector2Time"].map(format_laptime)
df["S3"] = df["Sector3Time"].map(format_laptime)
df["Vmax"] = df["Vmax"].round(1)
# カラム名変更
df = df.rename(columns={
"Compound": "Tyre",
"LapNumber": "Lap"
})
# 表示用テーブル
df = df[
[
"Pos",
"Driver",
"Team",
"Time",
"Gap",
"S1",
"S2",
"S3",
"Vmax",
"Tyre",
"Lap",
"Laps",
]
]
# =========================
# トップの値をハイライト
# =========================
best_time = df["Time"].iloc[0]
best_s1 = df["S1"].min()
best_s2 = df["S2"].min()
best_s3 = df["S3"].min()
best_vmax = df["Vmax"].max()
def highlight(val, best):
if val == best:
return "background-color: #ffe599; font-weight: bold"
return ""
styler = df.style
styler = styler.map(lambda v: highlight(v, best_time), subset=["Time"])
styler = styler.map(lambda v: highlight(v, best_s1), subset=["S1"])
styler = styler.map(lambda v: highlight(v, best_s2), subset=["S2"])
styler = styler.map(lambda v: highlight(v, best_s3), subset=["S3"])
styler = styler.map(lambda v: highlight(v, best_vmax), subset=["Vmax"])
stylerこのコードを実行すると、ドライバーごとのベストラップやセクタータイム、最高速(Vmax)などが、表形式で一覧表示されます。

PythonでF1の公式リザルトに近いデータを簡単に作れるのが、FastF1の大きな魅力です。
コードの仕組みを簡単に解説
ここまでのコードでは、FastF1のラップデータから各ドライバーのベストラップを抽出し、ランキング形式のテーブルを作成しています。
処理の流れは次のとおりです。
まず、セッションのラップデータを取得します。FastF1では、セッションを読み込むと session.laps からそのセッションのすべてのラップデータにアクセスできます。
次に、有効なラップのみを抽出します。予選やフリー走行では、トラックリミット違反や計測エラーなどにより、正確でないラップが含まれることがあります。そのため、IsAccurate が True のラップだけを対象にしています。
その後、各ドライバーのベストラップを取得します。これは「ドライバーごとに最も速いラップタイム」を抽出する処理で、FastF1を使ったデータ分析では基本となる手法です。
さらに、ベストラップのテレメトリーデータから最高速度(Vmax)を取得しています。FastF1では、ラップごとに速度やスロットル、ブレーキなどの詳細データも取得できるため、こうしたパフォーマンス分析も簡単に行えます。
最後に、ラップタイム順に並び替え、順位やトップとの差(Gap)を計算して表形式に整形しています。これにより、F1公式リザルトのようなランキングテーブルをPythonで再現できます。
このようにFastF1を使えば、公式ライブタイミングのデータをもとに、さまざまな分析を手軽に行うことができます。
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まとめ
この記事では、FastF1を使ってセッションのラップタイムデータを取得し、ドライバーごとのベストラップを一覧表示する方法を解説しました。
FastF1を使えば、F1の公式ライブタイミングデータをPythonから簡単に取得でき、ラップタイムやセクタータイム、最高速度などを自由に分析できます。コードをコピーして実行するだけでも、レースや予選のパフォーマンスをデータとして可視化できるのが大きな魅力です。
今回紹介したコードをベースにすることで、セクター比較やタイヤ別のパフォーマンス分析など、より高度なデータ分析にも発展させることができます。
次の記事では、FastF1で取得したデータを使い、ドライバーのテレメトリー(速度・スロットル・ブレーキ)をグラフで比較する方法を解説します。F1の走りをより深く理解できるようになるので、ぜひ続けてチャレンジしてみてください。
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